HXMが推進する戦略人事への変革

経営戦略や事業戦略に人材マネジメントを連動させる「戦略人事」の重要性が叫ばれています。
人事部門には従来の管理業務だけでなく、企業の事業戦略に合致した優れた人材を採用し、適切なトレーニングでパフォーマンスを向上させ、定着を促す充実した福利厚生を提供する。人事部門には、こうしたすべての従業員が能力を発揮しやすい組織づくりで、経営戦略を足元から支えるパートナーとしての役割が期待されています。
しかし、こうした経営サイドからの期待と同時に、人事部門の前には大きな課題も横たわっています。

労働人口の減少

政府の試算によれば、日本の生産年齢人口は2040年までに2017年比で約20%減、およそ1,200万人も減少する可能性があるとされています。そうした中、企業はますます優秀な人材を獲得するための激しい競争に突入しています。人事部は、組織の目標達成に最も貢献できる人材を確保するために、求職者の情報を迅速に収集・選別し、採用。自社へのオンボーディングを迅速に進め、定着率を高めていく必要があります。

従業員の多様化

日本でも団塊の世代以降、バブル世代、就職氷河期世代、ミレニアル世代と世相を映すいくつかの世代が登場していますが、会社に対する忠誠心が強く同じ会社に長く勤める傾向が強かった過去の世代に比べ、物心ついた時からインターネットが存在し、ソーシャルメディアやスマホが身近に存在していたミレニアル世代は、転職や独立に対する関心が高く、自身が成長できる場所を常に求めています。

人事部門は、こうしたそれぞれの世代が好むエンゲージメント方法に敏感でありながら、彼らが求める条件でタイムリーなコミュニケーションが取れなければなりません。

働き方改革や各国の法規制への対応

働き方改革に対応するための労働時間の抑制や新型コロナウイルスの拡大を契機としたテレワーク導入では、遠隔地での従業員の労働安全衛生の確保や適切な勤怠管理、また本業とのダブルワークを認める兼業・副業制度については情報漏えいをいかに防ぐかが問題になるなど、生産性の向上やセキュリティの確保に注目が集まっています。さらにグローバル化した組織では、従業員の情報が各国の法規制や要件に準拠できていることを証明できなければなりません。違反した場合は、高額なペナルティが課せられる場合もあります。

複雑な業務フローと大量の紙の書類

多くの日本企業では、まだまだ紙ベースで従業員ファイルが管理されています。文書のコピー、保管、ファイリング、郵送などの手動プロセスは、コストと時間がかかり、エラーが発生しやすいものです。加えて多くの場合、従業員のファイルは異なる場所に保管されているため、適切なファイルを探し出すのにもひと苦労といった状況が生まれています。さらに業務フローが標準化されていないことによる社内申請のやり直しや修正が発生し、非効率の雪だるまを生み出しています。

戦略人事のカギはデータの有効活用

「戦略人事」の実現に欠かせないのがデータです。紙の文書を電子化し、各種のプロセスを通じて収集した人事データは、ただ集めるだけではなく日々の業務やサービスの改善につながるよう分析し、その結果を日々の業務に反映させ、従業員のエクスペリエンス自体を改善していく必要があります。

そこで、注目されているのがSAP社が推進するHXM(Human eXperience Management)というコンセプトです。

HXM(Human eXperience Management)とは?

弊社の長年のパートナーであるSAP社が推進するこのコンセプトには、弊社も強く共感しています。
これまで見てきたような労働人口の減少や働き方の多様化、法規制への対応を実現するには、これまでの人事管理ソリューションの延長では不可能といえるでしょう。
企業の持続的な成長のために、働く人の声を聴きながら、あらゆる業務における最高のユーザーエクスペリエンスを提供することで、すべての働く人が最高のパフォーマンスを発揮できる人事システムの構築。それがHuman eXperience Managementの実現です。

HXMを支える基盤

そうしたHXMの実現のためには、その基盤となる各種のデータが必要となります。なかでも弊社が得意とする各種のドキュメントや非定型のコンテンツはその最たるものと言えるでしょう。

内定通知書や雇用契約書、各種保険などの申請書類や従業員ファイル、配置転換や異動などの辞令が書かれた通知書など、従業員一人当たりの人事関連文書は30種類以上とも言われ、人事部門と従業員は年に2回以上、こうした文書のやり取りをしています。またそれらの文書は退職後も2年から7年保管された後、適切に廃棄されなければなりません。

従業員の人数に文書の種類と更新頻度を掛け算し、保管期間を足していくと、とてつもないボリュームの文書が生成され、長期にわたって管理されなければならない実情がおわかりいただけると思います。

すべての働く人を応援する

弊社は、紙を多用していた管理中心の従来の人事から、デジタル化により働く人のエンゲージメントを向上させるHXMの実現を今後も支援して参ります。

弊社の経験豊富なプロフェッショナルと先進の技術により、すべての働く人のやりがいを、これからも応援していきたいと考えております。

❖ OpenText Extended ECM for SAP SuccessFactors
https://www.opentext.jp/products-and-solutions/products/opentext-suite-for-sap/opentext-extended-ecm-for-sap-successfactors

❖ YouTube:OpenText Extended ECM for SAP SuccessFactors
https://www.youtube.com/watch?v=sKZcdBt33a4

反町 浩一郎

オープンテキスト株式会社 代表取締役社長。エンタープライズIT業界において30年の豊富なビジネス経験、およびマネジメント経験を持つ。オープンテキストに入社する前は、日本CA株式会社代 表取締役社長を務めた。日本CA株式会社以前は、SAPジャパン株式会社のパートナー事業部門バイスプレジデント、ゼネラルビジネス事業部門バイスプレジデントを歴任し、中堅/中小企業から大手企業、パートナービジネスに至るまで幅広い層の市場開拓を牽引した。また、15年間在籍した日本マイクロソフト株式会社においても、公共事業部門や経営企画部門において業務執行役員などの要職を歴任。

関連記事

Back to top button