マネージドサービスを利用したSAP S/4HANA統合戦略の最適化

SAP S/4HANAへの移行は、多くの組織が今後数年の間に取り組むであろう最大のITプロジェクトの一つです。SAP ECCのメンテナンスを2025年に終了するという当初の期限は2027年に延長されることになりましたが、旧来のSAPシステムからSAP S/4HANAへの移行が今最もホットな話題であることに変わりはありません。

アプローチ方法

SAP S/4HANA移行に関して、企業が直面している最大の悩みは、導入オプションについての悩みではないでしょうか。

  • 基盤もクラウドに移行するのか?
  • クラウドに移行するならどのクラウドに移行するのか?
  • マルチテナントかシングルテナントか?
  • クラウドに移行した場合、現在のプロセスにどのような影響を与えるのか?

これらの議論は詰まるところ、柔軟性と標準化のどちらを選択するかということに集約されます。

Fit to Standardの推進

多くの企業では現在、高度にカスタマイズされたプロセスをSAP環境に組み込んでいるため、維持管理のコストはかかりますが、最適な方法でビジネスをサポートできるよう調整されています。
一方で、クラウドコンピューティングの背後にある考え方は、ベストプラクティスや標準化を採用することによる効率的なメンテナンスやシステム更新の促進です。

もちろん優先順位、ビジネスの性質、IT部門の力量によって企業ごとの正しい選択は異なります。
しかし、SAP S/4HANAが提供するメリットを十分に活用するためには、少なくとも現在の働き方に何らかの変更が必要になる可能性が高いことは理解しておいた方が良いでしょう。

他のシステムとの統合

組織がどの導入オプションを選択するかに関わらず、移行自体には、他のビジネスアプリケーションやサプライヤー、顧客、物流パートナー、銀行などの外部システムと接続するためのかなりの作業が必要になります。SAP S/4HANAが提供する接続オプションであっても、これらの接続には、一部の再設計が必要になる部分も出てきます。

SAP S/4HANAのSaaS版とライセンス版の両方とも、REST APIとSOAP APIの豊富なセットを提供しており、BAPI、RFC、IDocなどの伝統的なSAPのインターフェースを補完しています。これにより、例えばリアルタイムのデータフローをより良くサポートするなど、新しい統合設計のオプションが可能になります。リアルタイムのビジネスプロセスは、SAP S/4HANAの真骨頂であり、これらの新しいAPI接続オプションは、システムの価値提案を実現するために不可欠なものとなっています。

既存のフローを完全に再設計することに意味があるかどうかは、現在の統合設計がビジネスプロセスをどの程度サポートしているか、要件が変更される可能性があるかなど、様々な要因に左右されますが、SAP S/4HANAへの移行により、企業は統合作業に取り組まざるを得なくなるという事実は、変革の大きなトリガーとなり得るのです。

システム統合ソリューションを近代化するきっかけ

実際、ERPシステムは社内外の様々なシステムと統合されていることが多いため、SAP S/4HANAへの移行は、企業が現在使用している既存の統合ソリューションを近代化するためのより広範なビジネスケースを切り開く可能性があります。

多くの組織では、進化を繰り返したビジネス要件やプロジェクト単位の要求に対応するために、複数のシステム統合プラットフォームや各種のミドルウェアツールが長年にわたり蓄積されてきました。その結果、組織のプロセスがさまざまなプラットフォームにまたがり、結果ドキュメントのレベルにばらつきが生まれ、データフローの包括的な可視性が作り出せないという状況に陥りました。

また、異なるプラットフォーム間で作業ができる専門知識をもったITチームは限られているため、エラー解決や変更管理などの作業は外部のコンサルタントに頼らざるを得ません。こうした状況にも関わらず、これらのシステムはまだ機能していたため、パフォーマンスが最適ではなかったとしても、「壊れていないものを直す」理由を探すことは困難でした。しかし、この状況は事業継続のリスクであると既に見なされています。

SAP S/4HANAの移行により、企業は既存の統合ソリューションの多くを再構築する必要に迫られますが、このダイナミックな状況を好機と捉え、組織のデータフローのパフォーマンスやガバナンス、ビジネスの可視性向上に取り組む絶好の機会です。

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OpenText™ Trading Grid™のような最新の統合ソリューションは、データ処理の代替レイヤーを提供することで、データの品質を向上させ、プロセスを自動化し、ERPシステムのメリットを最大限に活用するために不可欠なだけでなく、コアERPシステムのカスタマイズが回避できるため、保守が容易になり、コスト効率が向上するなど、設計面でも貢献することができます。

SAP S/4HANAへの移行により、組織はシステム統合をIT運用の戦略的要素とすることができ、それが提供する価値、すなわちDX推進を加速させることができます。これは大きなチャンスです。

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