OpenText™ Enterprise Worldは毎回素晴らしいイベントですが、今年も例外ではありませんでした。この世界最大の情報マネジメントカンファレンスでは、製造企業がデジタルジャーニーを最大限に生かすための各セッションが開催されました。ショーの中では、OpenTextが新しく立ち上げたeBook『Digital Manufacturing』も紹介されました。
デジタルトランスフォーメーションは、いまや製造業のあらゆる部門で進められています。新しい破壊的技術は、変化する商業面および運用面でのニーズと消費者の期待に関し、製造企業が克服しなければならない新しい課題を次々と作り出しています。これらの課題にどのように対処するかによって、製造企業が成功するか否かが決まります。Forbesによると、世界のCEOの70%以上が、過去50年間よりも今後3年間が最も重要となると確信しているそうです。
しかし、製造企業ではデジタル技術への投資からのメリットが顕在化する速度が遅くなっています。当社がIndustry Weekと共同で実施した研究では、製造企業の4分の3がデジタルトランスフォーメーションはリスクよりもチャンスであると考えていますが、「デジタルのメリット」があったと感じているのはわずか26%です。製造業はデジタル革命の入り口にあり、高速に変化しています。IDC Manufacturing Insightsの予測では、「サービスエコノミー」に近づく2020年までに、製造企業の65%がデジタルマニュファクチャリングの手法を採用することになるとされています。
OpenTextの新しいeBook『Digital Manufacturing』では、デジタルジャーニーを進み始めた企業が直面する課題や利点について深く取り上げています。このeBookはおそらく、これまでに発行されたこの分野をカバーする作品の中で最も広範囲にわたる内容であると思います。この作品は1年間にわたる研究と、製造分野における複数のリーダー企業との緊密な連携の成果であり、これをお読みいただければ、製造企業がデジタル技術を活用することでどのように以下のことが達成できるようになるのかが理解できます。
- 破壊的デジタル技術を採用してビジネスパフォーマンスとアジリティを高める。
- ビジネスをデジタルに変えて、効率を向上させ、運用費用を削減し、製品を市場に出すまでの時間を短縮する。
- 企業の広範囲にわたる情報のフローを最適化して、データ駆動型のビジネスとなる。
- 調達およびサプライチェーンの手順を自動化し、取引先とのコラボレーションを高める。
- 効果的なオムニチャネルデリバリを通じて、強化されたお客様体験を提供する。
- 一貫性があり監査可能な正当な情報ガバナンスを確立する。
- 能力を拡張し、スキル不足を補い、変化を管理する。
欠かせないリソースが適切なタイミングで登場
- 製造企業が単に製品を作っていた時代は急速に終わろうとしています。よく言われるように、お客様は神様であり、デジタルカスタマーは非常に多くのことを求めてきます。最近のお客様はこれまで以上に個人向けの体験を求めて、新しいレベルのサービスやつきあい方を求めています。その結果、製造企業がお客様の期待に合ったサービスを提供し、製品のコモディティ化という課題を克服するようになる方向へのパラダイムシフトが起こります。
- デジタルトランスフォーメーションはこのシフトの中心にあります。これは、製造企業がデジタルカスタマー関連の新しい製品やサービスを作り上げることを模索するうえで、その企業のビジネスのあらゆる部分に影響します。デジタルマニュファクチャリングビジネスが成功するには、製造した製品や関連サービスのライフサイクルにわたるアクティビティ、さらには製造に使用する施設、流通をくまなくデジタル化する必要があります。
このeBookでは、効果的で持続的なビジネスの成長を促進するための新しい破壊的デジタル技術を正しく実装する方法を紹介しています。その中では、次のような世界有数の企業での実例が示されています。
- Tata Consultancy Servicesはどのように、エンタープライズコンテンツ管理、アナリティクス、モビリティ、クラウドを採用し、企業にとってインテリジェンスで直感的、かつ費用効果が高く、効率的な優れたカスタマー体験をお客様に提供してきたのか。
- MillerCoorsはどのように、B2B Managed Servicesを使用し、すべてのサプライヤーと銀行取引向けにシームレスなエンドツーエンドのEBIプラットフォームを提供できたのか。その結果、1年以内に同社の販売業者と小売店のサプライチェーンにおいて250万時間の労働が削減され、推定5千万ドルの労働コストの引き下げにつながりました。
- SAP®はどのように、エンタープライズ情報管理ソリューションを自社のERPシステムと組み合わせて、スタッフが常に必要な情報にアクセスして作業できるようにするとともに、カスタマージャーニーのあらゆる面に対応したエンドツーエンドのお客様体験オペレーティングシステムを提供できるようにしているのか。
EIM: デジタルマニュファクチャリングのためのプラットフォーム
現代の製造組織の目標は、自身の持つ情報と破壊的デジタル技術を活用して、インテリジェントなコネクテッドエンタープライズに変わることです。エンタープライズ情報管理(EIM)は、製造企業の製品とサービスのライフサイクルを通じて発生するプロセス、情報、取引、相互作用のデジタル化を可能にする統合された一連の技術を提供します。これは、デジタルの世界で革新を行い、勝ち残っていくための包括的で安全な中央集約型プラットフォームを製造企業に提供します。
『Digital Manufacturing』で示されているように、製造企業はEIMを活用することで、情報を完全に戦略的資産として扱えるようになるため、EIMはデジタルトランスフォーメーションの成功に欠かせないものとなっています。現代の製造企業は、「情報」が競争優位性のキードライバー要素として、サイズ、スケール、リソースへのアクセス、地域拠点網に取って代わることを理解しています。EIMは、製造企業が情報を活用してイノベーションを起こし、効率的に成長することを可能にします。
『Digital Manufacturing』は、製造セクターにデジタル技術を組み込むうえでの課題とメリットを考察した同種のリソースの中では最も包括的な内容になっています。是非、いますぐダウンロードしてください。
※ご紹介しましたeBookは英語のものとなっておりますが、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
(当ブログは2018年8月23日に米国で発表されたブログ記事”Stay ahead of the digital curve with our Digital Manufacturing eBook“の抄訳です。)